COLUMN

TOP | 書籍コラム | 第一章1-6~1-11

都市郊外ではじめる年収500万円からの不動産投資

第一章
オリンピック開催、海外投資家の積極参入・・・
加熱する「不動産投資市場」の現実

不動産投資市場は景気動向と一致するとは限らない

 
不動産投資は、文字どおり「投資」の一つの形態であり、株式やFX、先物などと同じ投資商品です。
 
しかし、株やFXとくらべてローリスクで、長期的に収入を得やすいという点で、資産形成の手段として非常に注目されています。
 
ただし、不動産と一口にいっても、一戸建てからマンションまでその形態はさまざまで、景況はそれぞれ異なります。大都市圏や地方などの地域によっても物件の特性が異なるため差が大きく、一概に好況だ、不況だとはいえないのです。
  
まずは、「不動産投資市場」がどのようなものなのかを見ていきましょう。
 

 1-6
~ 不動産市場とは異なる「不動産投資市場」とは ~

  
不動産市場は、「自分のために買う」不動産の市場として形成されますが、不動産投資市場の不動産は、「借りてくれる人のために買う」という目的をもっています。これが両者の最も基本的な違いです。
 
 不動産市場には、自分が住むために不動産を購入する消費者が集まります。彼らは自分自身の家族構成や収入、将来設計などを考慮して、どの地域に住むか、マンションにするか一戸建てにするか、などを検討することになります。それに応じて新築か中古かを判断します。なかには、賃貸住宅に住むという選択もあるでしょう。
 
自分が住むマンションの購入にあたっては、その資産価値が高くなるかも重要なポイントとなります。とはいえ、彼らにとって第一の目的は「自分が住む」ことにあるのですから、その資産価値を高めることは副次的な目的となります。資産価値が高くなるに越したことはありませんが、それにかかる固定資産税などが高くなることもあり、必ずしも喜ばしいことばかりとは限りません。資産価値を実際に享受するのは、不動産を他の人に貸したり売却したりしたときです。
 
 一方の不動産投資は、「借りてくれる人」を見据えて不動産を購入します。物件のオーナー、あるいは貸主となり、購入した物件は賃貸市場に出回ることになります。
 
すなわち、どのエリアのどのような家・マンションがよいかの判断は、常に「他人目線」で行わなければなりません。自分にとって都合がよいところを選ぶのではなく、住んでくれる人にとって利便性がよいかどうかを見極める必要があります。つまりニーズがあるかどうかを判断するのです。
 
オーナー自身の目的は「収益性」です。その不動産を購入して(=投資して)、それに見合う収益を得ることができるか、収益をより安定させ、向上させられるかを第一に考えるのです。その商品(=投資対象)に資金を支出し、収益性を見極めるという点では、株式やFXなどの金融商品と似た部分もありますが、異なる点もいくつかあります。
 
不動産投資が金融商品と大きく異なる点を挙げると、主として次の3項目になります。
  ・長期的にわたって資産活用をとらえる視点が必要なこと
  ・短期的に売買する商品とは異なり、収益に関して乱高下が少ないこと
  ・誰かに住んでもらうという面で、社会性や公共性が伴うこと
 
当然ながら取り扱う投資対象は不動産ですから、投資を始めるにあたっては不動産業者の門を叩くことになります。実際の物件そのものの購入は不動産業者が仲介するとしても、投資相談というかたちで信託銀行が関わったり、不動産投資アドバイザー(コンサルタント)そういう存在が関わってくるケースもあります。
 
不動産業者といっても、なかには投資物件を探すところから対応してくれる業者もあれば、その不動産の管理だけ行う業者、いわゆる不動産管理会社もあります。業界構造としてはやや複雑な面もあるので、その不動産業者が不動産投資に関してなにを行うのかに注意することが必要です。

 1-7
~ あなたの知らないところで広がる都市近郊の不動産投資 ~

  
 不動産投資を考える際に、不動産市場や投資市場の景況を見ることは重要ですが、それだけではなく、不動産投資そのものの市場動向、さらに投資家としてのあなたが関心のある地域の賃貸動向もしっかり見ていく必要があります。
 
 この点、大手の調査機関やマスコミから出てくる情報は、とかく大都市圏に焦点を当てた動向だったり、全国規模の統計データだったり、海外不動産投資の動向だったりということがよくあります。それらすべてを包括的にとらえたうえで、投資対象の地域動向を探り直すことが大切なのです。
 
 例えば、2012年末から2013年にかけては、いくつかの大手企業の物流拠点の整備・拡充が続きました。こうしたニュースは経済新聞に載っているものです。さらに、その物流拠点に直接的に投資する案件となると、金額も大きいので、その拠点を整備する大手企業が直接投資するか、もしくは投資家から出資を募って総額で投資して賃料を分配する不動産投資信託(REIT)で行われます。REITに関する情報は、物流関係、投資関係の専門誌・業界紙にも紹介されます。
 
 そうした情報を見たとき、例えば「この物流拠点の整備によって、その近郊に、どれくらいの人・世帯が流入するのだろうか」といった視点で考える必要があります。ニュースや新聞には載らない情報かもしれませんが、数十人、数百人規模の人の流入が起きます。
  
 同様の動きは、工業団地や大学の移転、大規模ショッピングセンターのオープンなどでも起こりえます。ある事象に付随して人口流入が起これば、必ずそこに住宅需要が発生します。不動産投資の大きなチャンスといえます。
 
 ちなみにこうした動きは、大都市の中心部ではよほどのことがない限り起こりません。あったとしても、投資する場合は莫大な金額になり、個人投資家が手を出しにくいぶっけになるのは明らかです。このようなチャンスは都市近郊に隠れているのです。
 
 これまでの投資家は、賃貸需要を見込んで対象エリアを大都市圏に絞る傾向にありました。しかしいま、このような「都市近郊ならでは」の不動産投資市場が広がりを見せ、一部の投資家も注目をしているのです。

 1-8
~ 「都市近郊ならでは」の不動産投資市場の魅力とは ~

  
 次に、不動産市場と不動産投資市場は、どのような全体規模と構造になっているのか
をみてみましょう。
  
 不動産産業界全体の売上高は合計で30兆円を超えます。不動産の資産額としては日本全体で約2500兆円ともいわれます。そのなかで「不動産投資」に関して着目すべき点としてはまず、これまでは都心にばかり目がいきすぎていたという点が挙げられます。都会の中心地であれば、不動産投資の対象の多くがオフィスとなります。また、オフィスビルに投資するのは、個人ではなく法人です。投資する側も賃借する側も企業ですから、BtoBという形態のビジネスとなり、この本で語る不動産投資とは別次元の話になります。
 
 大都市圏では、かつてのバブル期のような億ションは少なくなったとはいえ、個人で住む住宅も依然として高額な傾向にあります。「都心」「住宅」に焦点を絞った不動産投資でいえば、「数億円のマンション投資をして、そこで1部屋につき数十万円の家賃から収益を得る」という人はやはり少数派であり、実際は「分譲ワンルームの1室を数千万円で購入する」という投資家が多くなっています。つまり、業界用語で「一棟買い」型の投資は、都心では少なく、これができる人は一部の富裕層に限られます。
  
 また、不動産自体の金額が大きい都心の場合は、景気の変動や需要の動向などによって、次のような問題もしばしば起こっています。
 
  ・なかなか入居者が見つからず大損をした
  ・売却したくても高額すぎて買い手がいない
 
 ここで、都会に向けた視点をもう少し広げて見てみると、「都市近郊」という新しい市場が見えてきます。その一例として、私が拠点とするエリアの埼玉県の東松山市、および坂戸市という二つの市を例に挙げてみましょう。
 
両市の属性を以下にまとめてみます。
 
  ・都心から40~50キロ圏内
  ・人口は10万人前後
  ・都内の企業に通うビジネスマンが少なからずいる
  ・それぞれの市の地元企業のほか、近隣の川越、さいたま(浦和・大宮)などに通勤するビジネスマンが多い
 
 ここでいう「地元企業」とは、地場の中小企業もあれば、東京本社の大手企業の工場
なども含みます。また、近隣には首都圏の私立大学の移転もずいぶん前から進んでいるので、学生が多いという傾向も見逃せないポイントです。
 
 これらの特徴をより一般化したポイントとして抽出すると、次のようになります。すると埼玉県にかかわらず、大都市圏、特に東京に近い地域であれば、必ず見つけることができます。
  ・東京の真ん中の会社に通勤するには、少し不便かもしれない
  ・しかし、近隣の県庁所在地や大きな市の企業に通勤するには便利
  ・人口も極端に少ないわけではなく、市としてのアメニティも充実している